eMMC内蔵のノートPCが起動しません。データ復旧可能でしょうか?

eMMC内臓タブレットPC

>はじめまして、○○と申します。今回は、一つお伺いしたいことがあってメールでお問合せさせて頂きました。
>というのも先日、毎日使用していたノートパソコンでWindows Anniversary Updateと思しき大型ウィンドウズアップデートが適用されました。
>自動で電源が一度落ちたようなのですが、再起動できず、
>その後、何度電源を入れてOSを起動しようとしてもメーカーロゴが表示された後、一切その先に進まなくなりました。
>また併せて何故かキーボードも認識されなくなりました。
>実機はASUS Transbook T90Chi-3775でOSはWindows10です。
>内蔵のデータ保管メディアはeMMCのようです。
>とりあえずデスクトップのUSB接続キーボードを繋ぐと認識はできました。
>そこで以下の手順やリカバリを試みました。
>1.スタートアップの検査→『できませんでした』
>2.以前のビルドに戻す→『戻せませんでした』
>3.個人データを残して初期化→『容量が足りません』と表示されます。
>従って、残された最終手段は個人データを残さず初期化するだけかと思いますが、最悪なことに大切なデータのバックアップを取っていなかったのです。
>そこで、なんとか吸い出せないものかと考えております。
>このような場合でもデータ復旧は可能なのでしょうか。
>たまたまインターネットで検索していたら、ホームページにたどり着いたのでご質問させていただきました。
>以上、突然のメールで不躾ですが、ご教授いただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


お問合せいただいた障害内容の場合、残念ながらデータ復旧の専門業者で調査確認してみないと復旧の可否については分からないと思います。

尚、状況から推測するとeMMC(エンベッディッドマルチメディアカード)の障害および基盤の障害が疑われます。このeMMCは基盤と一体となっているケースが多いため、基盤障害がそのままeMMC障害に繋がりやすい特徴があります。

ノートパソコン上のキーボードも認識されなくなった理由も基盤不良が原因の可能性があります。元々の原因は何らかの電源トラブルではないかと推測します。何らかの電気的なトラブルが発生し、基盤(マザーボード)に影響を与えたものと思われます。

基盤不良はデータ消失事故につながりやすい

今回、電気的なトラブルから基盤不良が発生し、パーテーションの消失またはファイルシステムの消失、最悪、電気的なトラブルによるデータ消失の可能性が極めて高いことが予想されます。 データが完全消失してしまうと、専門のデータ復旧会社でも復旧が不可能だと思います。

また復旧出来た場合でもeMMCにエラーが発生している場合、データの破損が発生し、全データの正常な復旧が難しいケースがよくあります。そもそもeMMCは軽量・薄型のノートパソコンなどで使用されているケースが多いのですが、軽量化のメリットがある一方、電気的な故障や耐障害性に弱いデメリットがあります。

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eMMCやSSDの特性

最近ではeMMC以外にもSSDなどが軽量・薄型のノートパソコンにハードディスクの代わりとして内蔵されているものが増えてきました。ハードディスクに比べて軽量であるため、踏んだり落としたりする物理的な耐障害性が高いのに対し、電気的な耐障害性が極めて低い傾向があると言われています。
これは、USBメモリーやSDカードなどのフラッシュメモリー系と同じ貧弱性です。

eMMCはそもそも取り外しが難しい

またeMMCの場合、基盤の取り出しや基盤からeMMC自体を取り外す作業が難航しやすい傾向があります。通常、HDDやSSDの取り外し作業は2、3分です。少し難航しても30分ほどで分解可能ですが、eMMCの場合、取り外し作業だけでも数十分から1、2時間かかるケースがあります。

ほとんどの場合、全体をバラさないと取り出せないからです。また、基盤と溶接されているため、破壊しないと取り出せないものも数多くあります。

そのため一般ユーザーでは取りはずことも、取り外した後に自分で調査することも難しいでしょう。

eMMCとデータ復旧

またeMMCの場合、ノートパソコンを完全分解が必要であり、且つ薄く細いプラスチック部品やケースそのものを破損しやすいため、メディアを元の状態に戻すことが非常に困難です。

そのため、ノートパソコンを再利用したい場合、データ復旧業者でも受付してくれるところが少ないと思われます。

一見、HDDとSSD、eMMCの区別は外側から見ているだけでは分かりません。只、軽量化されたノートパソコンなどはSSD以上にeMMcが使用されているケースが増えてきました。

自分の内臓記録メディアが何であるか、事前に知っておく必要があるでしょう。万が一、不明な場合には、メーカーのカスタマーサポートセンターで何の記録メディアを使用しているのか確認しましょう。

SSDやeMMCのデータ復旧費威容は高額!?

尚、復旧費用の相場についてはデータ復旧業者によってかなり違いがあると思います。

軽度・中度障害の場合、5万円から20万円程度。
重度・物理障害の場合、20万円から40万円程度

になることが予想されます。HDDに比較してSSDやeMMCはデータ復旧費用が1.5倍以上になるケースがほとんです。

クドイですが、MMCは業者によってはeMMCそのものを取り扱っていないところも数多くありますので、まずは何社問い合わせをしてみると良いと思います。

eMMCとHDD、SSDとの違いとは

eMMC(Embedded Multi Media Card)はSSD(ソリッドステートドライブ)と同様にNANDフラッシュメモリと制御回路からなる記憶装置です。

SSDはフラッシュメモリを用いた記録メディアでUSBメモリーなどと同じようにメモリーチップにデータを保存する仕組みです。eMMC(エンベッディッドマルチメディアカード)は、このSSDより構造が単純で、スマートフォンやタブレットPC、その他にもカーナビなど組み込み機器の高速な記録装置として人気です。特にメモリー系カーナビには、このeMMCが使用されています。

一方、HDD(ハードディスクドライブ)はパソコンやサーバー、USB外付けHDDの記録メディアとして使われているケースがほとんどです。プラッターと呼ばれる磁気ディスクを磁化させながらデータを保存する形式です。またこれらSSDとHDDを融合させた「ハイブリッドHDD」も一部のパソコンにあります。

eMMCとHDD、SSDの速度比較

尚、eMMCとHDD、SSDとの速度比較した場合、通常、SSDが最も速い傾向があります。

例えば、HDDやeMMCと比較した場合は3倍以上の読み書き速度があるメリットがあります。このようにSSDとeMMCは、別々の箇所に保存されたデータを読み取るランダムなアクセス(読み書き)に強く、ハードディスクと比較した場合、かなり起動時間が速くなります。

ですが、以前としてハードディスクドライブは低価格が進み、且つ大量のデータファイルを保存できることがメリットがあります。またSSDとeMMCよりも大量のデータを長期間保存する用途に向いているため、データ保管用記録装置として向いています。

eMMCとSSDはデジカメでよく利用するSDカードやUSBメモリーと同じフラッシュメモリ系のため、データの長期保存にはあまり向いていないとされています。eMMCやSSDはハードディスクよりも利用年数が短いため、まだ検証データが少ないので断定されていませんが、その構造からSDカードやUSBメモリーと同じ寿命や耐障害性、デメリットが予想されます。

SSDとeMMCの特徴やメリットは読み書き速度が非常に速いことに加えて、消費電力が低く抑えれられていることです。落下などの物理的な衝撃にも強いため、昨今流行りのタブレットPCやノートPCなどのようなモバイル端末に内蔵されています。

またeMMCはSSDほど高速ではありませんが、アンドロイド端末のスマホなどには内蔵ROMとも呼ばれる箇所に、このeMMCが使用されています。最近では一昔に比べてハードディスク同様に高速化と大容量化や低価格化が進んでいるため、使用者が知らずにeMMCを利用しているケースも良くあります。

eMMCとSSDは障害後のデータがヤバイ!?

eMMCはSSDと同じく、障害が発生した場合、データ復旧が難しいと言われています。

そもそもデータ復旧技術が確立されていないという噂もあるほどです。電気的なトラブルが発生した場合、データが完全消失したり、全データに対し、一部のデータしか復旧できないというケースも良くあるようです。

ではeMMCとSSDの違いはどうなのかと云えば、eMMCは組み込み用マルチメディアカードのためSSDよりも消費電力が低く、構造がSSDよりも簡素なため超小型化が可能というアドバンテージがあります。そのためノートパソコンやタブレットPCよりも小型なものに利用されており、主にスマートフォンのようなモバイル端末に搭載されているケースがほとんどです。

現在、パソコンやサーバで普及しているSSDに比べ、eMMCは転送速度は遅いのですが、消費電力が低く、装置も小さいので利用端末が急速に増えています。

eMMCとHDD、SSDの用途

eMMCとHDD、SSDは徐々に利用端末の棲み分けが進んでいます。

  • HDD(ハード・ディスク・ドライブ)は長期の大容量データ保管用としてサーバーやUSB外付けハードディスクに内蔵
  • SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)はノートパソコンやデスクトップPCのOS起動用として内蔵
  • eMMC(エンベッディッド・マルチメディア・カード)は軽量・薄型のノートパソコンやスマートフォンやタブレットPCに内蔵

スマートフォンやタブレットPCの復旧率が近年急速に進んでいるため、今後、さらにeMMCが利用され、普及率が高くなる傾向が続くことでしょう。

但し、上記に記載したようにデータの長期保存やデータ復旧に対しては懸念の声があるので、データのバックアップには気を付ける必要があります。